経理パーソンがキャリアを重ねていく中で、大きな山になる業務がいくつかあります。業種にもよりますが、連結決算、税務調整、そしてキャッシュフロー計算書が代表的なものでしょう。
これらは月次決算の延長ではなく、これまでとは違った発想と手法でアプローチする必要があります。この発想法を体得できれば一気に成長できますが、それまでは何をやっているのか、いまいちピンとこないかもしれません。
特に、初めてキャッシュフロー計算書作成に着手する人の多くは、キャッシュフロー計算書作りに欠かせない「キャッシュフロー精算表」と呼ばれるワークシートの意味がわからず、挫折していきます。これは簿記1級などの資格試験にもほとんど出題されない(公認会計士試験ですら!)キャッシュフロー作成実務のテクニックですので、余計に面食らうことが多いでしょう。
キャッシュフロー精算表については「キャッシュフロー精算表の計算構造がスッキリわかる話」で詳しく解説しています。また、キャッシュフロー精算表のExcelサンプルシートを「キャッシュフロー精算表のサンプルシートと効率化ポイント」にて無料公開しています。
実はキャッシュフロー精算表は、キャッシュフロー計算書の基本概念さえ理解していれば、非常に合理的で便利なツールなのですが、コツをつかむまでの長さに嫌気が指す人も多いのが実情です。
そこで今回はキャッシュフロー計算書の基本概念にスポットを当て、「キャッシュフロー計算書の作り方を理解するための発想法」についてご説明します。これを頭に入れてから業務に当たれば、コツをつかむまでの時間は大幅に削減できるでしょう。