有価証券報告書とは
上場会社等が証券市場の投資家に対し、1年間の事業や財務などの状況を説明するための報告書。上場会社の開示資料の中でも最大のボリュームを誇る。通称「有報」(ゆうほう)。
記載内容は、事業状況、財務諸表の他、グループ関係会社の一覧、役員の一覧、内部統制の概要、株式やストックオプションの発行状況、大株主の名簿、外国人持株比率などなど、多岐にわたって法定されている。財務諸表も他の開示資料(【決算短信】や【計算書類】)に比べて格段に多い。他の開示資料ですでに開示済みの情報もほぼすべて再掲されるため、上場会社の経理にとっては1年間の総まとめの開示資料である。
このように作成が大変な資料なので、決算日から3カ月以内に提出すればよく、時間は十分確保されている。一方で、重要な情報はその2カ月も前に短信で公表済みであるため、はっきり言って鮮度という意味での情報価値はかなり低く、「作るのが大変な割に誰も見ていない開示資料」と呼ばれることもある。担当者としてこれほど悲しいことはない。
しかしながら、最新ニュースとしての価値は低くても、会社のことが詳しくまとまった資料であるため、実際には新しい投資先を探すときには結構読まれているので安心してほしい。発表後に株価が動くような派手な資料ではないが、長期的に貴社の株価を下支えしているのです。
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