2017年 3月 の投稿一覧

貸借をプラスマイナスで表現すると決算作業がサクサク進む

貸借をプラスマイナスで表示する

経理業務の中で、特に決算業務の中で、貸借を間違えて本来足し算すべき数字を引き算してしまったり、その逆のことをしてしまった経験は誰にでもあると思います。

プラスマイナスという単純な概念だけであればわかりやすいのですが、経理ではそこに借方・貸方という概念が加わります。借方項目である資産・費用と、貸方項目である負債・純資産・収益はそれぞれ真逆の方向性ですので、Excelで計算していても混乱しがちです。

そんなときはいっそのこと、貸方のプラスを、敢えてマイナス数字で表現してみましょう。具体的な例とメリットは以下のとおりですが、特にExcelを使って決算を組む場合(特に連結決算!)では、こんなちょっとした工夫で大幅にミス防止・高速化が図れます。

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【図解】税効果会計に苦戦する理由は、その意味の誤解にある

経理スキルをアップさせようとする方にとって、税効果会計は1つの鬼門です。多くの若手経理パーソンがチャレンジしますが、その意味合いを掴むのに長い時間を費やしています。なぜでしょうか?

その理由は、学習者を中心に、税効果会計に関する大きな誤解が蔓延しているからです。
税効果会計は概念が難しいので、とっかかりとしてなるべくイメージしやすい説明が先行しています。このイメージは簿記試験ではまだいいかもしれませんが、実務ではまるで役に立たない虚構のイメージなのです。

税効果会計の本質は別のところにあります。真の本質を捉えられればまったく難しいものではなく、むしろとても簡単なものです。
本当の本質さえ理解してしまえば、税効果会計の理論から実務までスッと頭に入ってくるでしょう。

今回は、経理実務にばっちり❝使える❞、税効果会計の本当の考え方・捉え方を伝授いたします。

本項はプロの経理パーソン向けの記事ですが、最近M&A関係者の方からご質問をいただくことも増えてきました。そのため、M&A関係者がもう少しとっかかりやすいよう、関連サイトに「M&Aの価格交渉で知らなきゃ大損する繰延税金資産の基礎知識[外部]」という記事を書きましたので、併せてご覧ください。

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ASBJ、【法人税、住民税及び事業税】の会計基準を公開

ASBJ(企業会計基準委員会)は3月16日、「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」を公表しました。

企業会計基準第27号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」の公表(ASBJ)
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/docs/tax/[外部]

これはこれまで実務指針(まだ会計基準という概念がなかった時代の指針)を会計基準に編成し直したもので、実質的に何か変更があるわけではありません。

【法人税、住民税及び事業税】の種類の一覧と計算方法については、以下のリンクをご参照ください。

【法人税、住民税及び事業税】の種類一覧と計算方法

【法人税、住民税及び事業税】の種類一覧と計算方法

法人税、住民税及び事業税

この国には様々な税金が定められており、会社にも本当に様々な税金が課せられます。
経理は社内でも法人関連税制にもっとも詳しい部署として期待されることが多いですが、如何せんなかなか覚えづらいのが実情です。

そこで今回は、いわゆる「法人税、住民税及び事業税」と呼ばれる(大きく分けて)3つの税目を解説します。これらの税金は会社にとって有数の高額支出ですので、しっかり覚えておきましょう。

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【税効果】すぐ使える法定実効税率の計算シート&解説

税効果会計の法定実効税率計算シート

税効果会計に関して、先日は「繰延税金資産の計算&注記作成シート」を公開しましたが、今回は「法定実効税率の計算シート」を公開します。

法定実効税率は、税制改正のたびに太田達也先生あたりが公表してくれますが、あくまでも「東京23区内の超過税率が適用される外形標準課税適用法人」という限定的な事例です。

実際の法定実効税率は、事業所の所在地や超過税率の適用有無、外形標準課税の適用有無などで大きく変わりますので、杓子定規にいくらと結論だけ出すことは難しいものです。

そこで、このたび適用指針に則った法定実効税率の計算式をExcelシートにまとめました。

以下をクリックするとダウンロードできます。登録不要で、ご自由にカスタマイズしてご利用いただけます。


税効果会計で使える繰延税金資産の計算&注記作成ExcelシートR200 法定実効税率の計算シート(Excelファイル)

例として、平成29年3月期決算の会社で、東京23区ではなく、外形標準課税適用、超過税率適用なし(標準税率)のケースをデフォルト入力しています。


※マクロは一切使用しておりません。

以下ではこのシートの使い方について解説します。

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税効果にそのまま使える繰延税金資産の計算&注記シート

税効果で使える繰延税金資産の計算&注記作成シート

「税効果会計はどう計算すればいいのかわからない!」という声や「当社はこうやって計算しているけど、他社はどんな計算をしているんだろう?」という声をよく伺います。

そこで弊社では、かなり多くの企業様にご活用いただけ、かつ、多くの場合で効率的な計算ができる「繰延税金資産の計算&注記作成シート」を作成しました。

登録不要で、ご自由にカスタマイズしてご使用いただけます。


税効果会計で使える繰延税金資産の計算&注記作成ExcelシートR100 繰延税金資産の計算&注記作成シート(Excelファイル)

入力箇所が空欄になっています。
最新版のためこちらをお使いください。


税効果会計で使える繰延税金資産の計算&注記作成Excelシートver.1.1.1 の学習用例入力済シート(Excelファイル)

以下で解説する例示用数値を入力したものです。
こちらを見ながら以下の記事を読むと、使用方法がより詳しく理解できます。


※上記いずれのファイルもマクロは一切使用しておりません。

以下ではその使い方について解説します。

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経理担当者が3月期決算前に読んでおくべきサイト・雑誌記事等(シェア)

公認会計士の武田雄治さんのブログに、「経理担当者が3月期決算前に読んでおくべきサイト・雑誌記事等」というまとめ記事が載っていましたのでシェアします。

経理担当者が3月期決算前に読んでおくべきサイト・雑誌記事等(CFOのための最新情報)
http://blog.livedoor.jp/takeda_cfo/archives/2088640.html[外部]

いや、これ全部読む必要は実際ないとは思うんですが、新日本監査法人とEY税理士法人は無料で読めるので、ざっと確認しておきましょう。

武田雄治さんのブログは速報性が高いのでお勧めです。また、決算早期化の著書も非常に勉強になります。

決算をラクに高速化するための1カ月前の事前準備

決算をラクに高速化するための1カ月前の事前準備

決算の事前準備

いよいよ多くの会社が決算を迎える3月末がやってきます。
会社規模の大小を問わず、本決算は経理の一大イベントです。経理パーソンにとって腕の見せ所ですので、しっかりと頑張りましょう。

さて、本決算というと、とにかく忙しくて残業ばかりになって辛いものというイメージがあります。確かに短期間で多くのことをこなさなければならず、簡単なものではありません。しかし、決算作業を注意深く振り返ると、実は決算が始まる前からできる作業は案外多く、これを事前に準備しておくだけで、本当に忙しい時期の作業がサクサク進むことも少なくありません。

今回は、そんな決算前にやっておくべき事前準備をご説明します。特に1カ月後に怒涛の決算期を控える方は、今しっかり読み込んで、1カ月後にラクをしてください。

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