日経新聞に、会計屋として朝から気が重くなる記事が。。
揺れる監査法人 リスクとのはざま(上)ICO、ルール整備追いつかず[外部]
ざっくり要約すると、「メタップスという会社がICO(仮想通貨を用いた資金調達)を実施しようとしたところ、会計処理ルールが不明確であるために監査法人との協議が難航している」というもの。
本件、日本のPwCあらたの不手際(本家PwCとの連携不足)はあるのでしょうけれども、一概に監査法人側に問題があるとは言えないのが難しいところです。
経済事象が複雑になればなるほど、考えられる会計処理というのは多岐にわたりますので、「本来こういう処理であるべきだ」ということは非常に難しい判断です。これは監査法人の度胸が足りないのではなく、後で会計処理ルールが明確化されたときに、遡って修正するような事態になってしまった場合、会社も株主も大きな損害を被る可能性があるためです。
しかしながら、会計は本来経営活動を写すべきものですので、会計ルールの不備が経営判断を留保させる要因になっていいのだろうか、という疑問も沸きます。あくまで主体は経営であって、それを補佐するのが会計なのに、まるで会計が経営判断の枠を狭めているような気がします。
ただ、これに関しては安易に動くべきことではなく、時間をかけてルール整備をしていくべきでしょう。会計が世の中の発展を阻害しているようで、残念なことではありますが。