日経新聞に、会計屋として朝から気が重くなる記事が。。
揺れる監査法人 リスクとのはざま(上)ICO、ルール整備追いつかず[外部]
ざっくり要約すると、「メタップスという会社がICO(仮想通貨を用いた資金調達)を実施しようとしたところ、会計処理ルールが不明確であるために監査法人との協議が難航している」というもの。
日経新聞に、会計屋として朝から気が重くなる記事が。。
揺れる監査法人 リスクとのはざま(上)ICO、ルール整備追いつかず[外部]
ざっくり要約すると、「メタップスという会社がICO(仮想通貨を用いた資金調達)を実施しようとしたところ、会計処理ルールが不明確であるために監査法人との協議が難航している」というもの。
新年度に入り、国税庁のホームページがリニューアルしたようです。
それはいいんですけど、リニューアルに伴ってトップページ以外のURLが全面変更され、検索結果やブックマークが意味をなさなくなってしまった模様。。
https://www.nta.go.jp/renewal.htm[外部]
要するにトップページに飛ばされちゃうんですよね・・・
日経新聞によると、政府は「実質的な」法人税率を約20%まで引き下げたいようです。
賃上げ+革新投資なら 法人税、実質負担20%に下げ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24207240T01C17A2MM8000/[外部]
この「実質負担」が曲者で、どうやら現在の「所得拡大促進税制」と「生産性向上設備促進税制」、プラス検討中の従業員の教育研修に関する減税措置を踏まえて最大20%まで下げる、ということのようです。
IFRS(国際財務報告基準)を作っているIASBは、P/Lに表示する段階利益について協議中とのこと。
段階利益といえば日本では営業利益・経常利益ですが、IFRSにはそうではなくEBITという指標が載るようです。
IFRS、EBITをP/L表示に、営業利益は不採用
http://ifrsoftheday.blogspot.jp/2017/11/ifrsebitpl.html[外部]
トランプさんが何か言うたびに変動する為替市場(最近は少し慣れてきたかな?)。円ドルレートの変動は企業の業績に非常に大きな影響を与えます。
純然たるキャッシュの増減なので、財務会計上影響が出るのは仕方ないところがあります。
しかし、為替相場の変動で売上仕入が増減したのでは、社内の業績評価などの「管理会計」においては非常に困ることになります。
そこで多くの会社では、実勢レートとは別に「社内レート」を設定し、日常的には全社この社内レートで計算して業績管理をしています。ただしそのままでは正しい実勢レートに基づいた財務諸表が作れませんので、年度末や四半期末に、決算整理で実勢レートに振り替えます。
社内レートのメリットは、上述のとおり「社内の」業績管理がしやすいことなのですが、一方で「社外」に対しては実勢レートで業績開示しなければならないため、開示面では難しくなります。
「決算で実勢レートで計算し直したら、利益が大幅に下がってしまった」というのもよく聞く話で、実勢レートと乖離した社内レートは非常に危険です。
では、この「社内レート」はどのぐらいが「相場」なのか、帝国データバンクさんが2,787社の社内レートを調査してくれました。
日経新聞によると、首相の諮問機関である政府税制調査会が、ICTを使った納税手続き簡素化の議論を始めたとのこと。
電子納税、簡素化を検討 政府税調、利用拡大めざす(日経新聞)[外部]
政府税調の委員がエストニアや韓国など7カ国を視察して得た先進事例について報告。外国の例を参考に、ネット上で納税手続きが完結する電子納税の拡大策をまとめる。
記事によると、日本の法人税の電子申告割合は64%。これは税理士丸投げ型の中小企業ほど率が高いので、大法人は50%程度とのことです。
電子申告・電子納税の普及ペースが遅いのは、それ相応の理由があるからのはず。
記事では「政府は規制改革推進会議で、電子納税を普及させて企業の事務作業費などを2割削る方針を打ち出した。」とありますが、どうやって2割も削るんだろうという気がします。
新日本監査法人が、東芝の株主である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)から訴えられたそうです。
GPIF、新日本監査法人を提訴 東芝不正会計で損害賠償35億円(ロイター)[外部]
新日本監査法人が「相当な注意を怠って」誤った監査意見を表明し、それを信じたGPIFが巨額の損失を発生させたことによる損害賠償請求とのこと。当然ながら、東芝自体にも巨額の賠償請求をしています。
相手が新日本監査法人なので、今年発生した巨額減損ではなく、一昨年発覚した工事進行基準などによる粉飾事件についての訴訟ですね。
損害賠償請求は通常原告側に被告の怠慢を証明する義務がありますが、会計監査の適正性裁判は被告側が怠慢がなかったことを証明しなければなりません。どうやるのか見ものですな。
東芝事件に関して、公認会計士の知り合いから「会社に隠されてしまったので、どうしようもなかったんじゃないか」という同情論をよく耳にします。もしかしたら新日本監査法人も、見つけられなかった理由を監査権限の限界として説明するのかもしれません。
ただ、隠されたら不正を見抜けないというならば、一体何のための監査制度なのか。経理屋としての感想はこれに尽きると思います。一体何のために、企業はあなた方に多額の報酬を支払っているのか。
新日本監査法人には、専門家としての矜持を持って裁判に望んでいただきたいものです。
日経新聞の集計によると、3月決算で発表された決算短信のうち、日経が選んだ「主要企業」の3割が「配当方針」の記載を省略したそうです。
配当方針、3割が記載なし 決算短信の簡素化始まる(日経新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO16764910T20C17A5DTA000/[外部]
配当方針の記載は私も書いてましたが、「配当の方針」はあんまり意味がない記載だと感じていました。
「純資産配当率●%を目途に」とか書いても状況が変わればしれっと取り下げますのでね。むしろ具体的に書かずに「株主還元は重要な経営課題」と「安定配当を志向」だけ書いてる会社が大半じゃないでしょうか。
なので有報や招集通知には書いたとしても、決算短信に載せるような記載じゃないと思います。会社としては足元掬われないように余計なことは言いたくないと思いますし、投資家としても言質を取ったところで空手形になる可能性が高いですし。
ただ、今回の決算短信の記載簡素化って、決算の早期開示を促すためじゃなかったでしたっけ?配当方針を省略しても2時間も短縮できないとは思います。。
2017年3月期から、決算短信の様式が大幅に自由化され、「サマリー情報」(1ページ目の業績の一覧)の開示が「義務」から「要請」に格下げされましたが、実際にサマリー情報を割愛する会社はどれだけあるんでしょうか。
そんな疑問に応えるべく、週刊経営財務が4月末までに短信発表をした3月決算会社292社を調査したところ、なんとすべての会社がサマリー情報を開示していたとのこと。
調査の結果,対象292社のすべてが,基本的に「サマリー情報」の通期第1号参考様式〔日本基準〕(連結)に基づいて決算短信を開示していた。開示の内容や傾向について,今回の改正による変化はとりたててみられなかった。(週刊経営財務2017年05月15日号)
まぁ今まで開示していた会社が敢えて「要請」を無視する理由もないんですけど、結局この改正って意味あったの?と思わざるをえないですね。
いずれにせよ今後も「要請」どおり変わらない開示がメインになることは間違いがないと思います。
ちなみに、記事ではその他の開示方法についても集計しています。
①個別業績の概要を省略 | 41社(14.0%) |
②売上高を営業収益とするなど,勘定科目を一部変更して開示 | 30社(10.3%) |
③業績予想値を開示せず | 26社(8.9%) |
※カッコ内は調査対象292社に対する割合
ホールディングカンパニーなんかだと個別業績は別に意味がないので、①の省略は今後も増えると思います。
②はEBITDAの開示なども入るのでしょうか。どこまで広がるか注目しています。
③は意外と多くの会社が開示していないんだなという印象。ちょっと意外でしたが、いい加減な業績を出しても投資家も役員も困るだけなので、わからない場合は「わかりません!」と言い切る選択はあってしかるべきなのでしょう。
決算開示は基本横並びでしたが、これを機に独自性が出てくるかもしれませんね。
有償ストックオプションについて、企業会計基準委員会より新たな実務対応報告の公開草案が公表されました。
実務対応報告公開草案第52号「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い(案)」等の公表[外部]
有償ストックオプションは、上場会社役員のインセンティブをフェアな形で引き上げ、結果的に株主の利益につながりやすいため、近年流行っていると聞いたことがあります。その流れでの公表のようです。