大手?中小?監査法人の売上ランキングと解説

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監査法人のランキング

経済界の下世話なランキングをたくさん作ることで有名な東洋経済オンラインが、監査法人の売上高ランキングを独自集計・公表されました。

独自集計!「監査法人の売上高」ランキング[外部]

監査法人のランキングは経理としても気になるところです。大手ならいいという話では当然ありませんが、大手に見てもらっているほうが社会的信用面でプラスに働くということは確かにあります。

一方、バカみたいに高い監査報酬と融通の利かない担当者、そしてロクに研修を受けていない新人(有料)にトンチンカンな質問をさせて、経理担当者をイライラさせるのも大手監査法人のほうが多いので考えものです。
かといって値段だけで信用力のない監査法人を選ぶわけにもいきません。「大手」「準大手」「中小」といった監査法人の「格」にも留意しなければなりません。

そこで今回は、監査法人の売上ランキングを見ながら監査法人の規模をチェックしていきましょう。

1.大手監査法人(四大監査法人、BIG4)

上記東洋経済オンラインの記事の3ページ以降にある売上高ランキングをみると、第4位(売上370億円)と第5位(売上60億円)に大きな差があることがわかります。

「大手監査法人」というと、多くの場合で「新日本」「トーマツ」「あずさ」「PwCあらた」の4法人を指します。

順位 法人名 売上高
1位 新日本有限責任監査法人 1,064億円
2位 有限責任監査法人トーマツ 964億円
3位 有限責任あずさ監査法人 898億円
4位 PwCあらた有限責任監査法人 370億円

1-1.大手監査法人について

大手監査法人(四大監査法人)は、金融庁が所管する公認会計士・監査審査会が「上場会社を概ね 100 社以上監査し、かつ常勤の監査実施者が 1,000 名以上の監査法人」と定義しているもので、売上高でも確固たる地位を築いています。

上場会社の70%程度が上記4監査法人のいずれかに依頼しているようです(正確な数字がわかる方いらっしゃったら教えてください!)。リーマンショック以降、コストカットの要請から非大手監査法人に切り替える動きが増えましたが、一時期は「四大監査法人にあらざれば監査法人にあらず」「四大監査法人を使っていない会社の会計など信じられない」という時代もありました。

なお、3位のあずさと4位のあらたの差が大きいため、3位までを「三大監査法人」と呼ぶこともあります。

1-2.各大手監査法人について

第1位.新日本有限責任監査法人

堂々たる第1位の座を長年保持している、現在日本最大の監査法人。グローバル会計事務所であるアーンスト・アンド・ヤング(Ernst & Young)と提携していることから、EYと呼ばれることも多い。その他「新日」と呼ばれるほか、受験生などはふざけて「プロレス」と呼んでいる。

クライアント数が多いことが災いしてか、近年不祥事が目立つ。オリンパス事件、そして東芝事件の監査法人をしていたため、経営危機を騒がれるまでになった。

第2位.有限責任監査法人トーマツ

いい意味でも悪い意味でもベンチャー気質が残っているとされる監査法人。グローバル会計事務所である「デロイトトーマツ」と提携。「デロイト」と呼ばれることも。

トーマツイノベーションやトーマツベンチャーサポートなど、会社規模の大小を問わず様々なコンサルティングも行っている。近年の不祥事は大王製紙事件。

第3位.有限責任あずさ監査法人

グローバル会計事務所であるKPMGと提携していることから、「ケーピー」と呼ばれることも多い監査法人。

昔は「朝日監査法人」の名で有名であった。今でもこの名前のほうがしっくりくる人も多い。

近年の不祥事はオリンパス事件。新日本に引き継ぐ前の粉飾見逃しと、引継がよくなかったとのことで処分を受けた。

第4位.PwCあらた有限責任監査法人

カネボウの粉飾事件の責任を問われて解散した「中央青山監査法人」のうち、一部の人々が集まって作った監査法人。海外会計事務所のPwC(プライスウォーターハウスクーパース)と提携している。ほら、アカデミー賞でやらかした、あの・・・

最近のトピックは何といっても東芝事件。最初の不祥事で新日本監査法人との契約を打ち切った東芝が次に監査を依頼したのがPwCあらただったが、何と1年もたたずに十分な監査ができないとして意見不表明となる事態に。
東芝が監査妨害しているのか、あらたが慎重すぎるのかはわからないが、いずれにせよとんでもない貧乏くじを引いたものである。

2.中堅監査法人(準大手監査法人)

5位からだいたい10位ぐらいまでを「中堅」「準大手」といいます。

順位 法人名 売上高
5位 太陽有限責任監査法人 60億円
6位 PwC京都監査法人 39億円
7位 東陽監査法人 39億円
8位 優成監査法人 23億円
9位 三優監査法人 22億円
10位 仰星監査法人 21億円

2-1.中堅監査法人について

ある程度の規模の上場会社が監査を依頼する先として、マンパワーの観点からいうと準大手ぐらいまでが限界ではないでしょうか。もちろん監査は頭数だけではありませんが、監査工数に対応するためにはある程度の人数が必要なのが現実です。

個人的な見解としては、上場準備会社などは中堅監査法人がオススメです。大手は正直カタく、完璧を求めてきますが、実際の上場会社は思ったよりユルいものです。

2-2.各中堅監査法人について

第5位.太陽有限責任監査法人

合併などもあり、飛ぶ鳥を落とす勢いで売上を伸ばしている監査法人。中堅の中でも頭一つ飛び足している。かつては「太陽ASG監査法人」だったため、「ASG」といえば基本ここを指す。

提携している海外会計事務所はグラントソントンインターナショナル。

第6位.PwC京都監査法人

古都の名前を関するなかなかオシャレな監査法人。あらたと同じくPwCのメンバーファーム。

本部はもちろん京都だが、東京でも活躍している。

第7位.東陽監査法人

提携している海外会計事務所はBDO。この辺になると個人的に絡みがないのでよくわかりませんが・・・

第8位.優成監査法人

統括代表社員が強烈なインパクトを残す名物監査法人。ほとんどの会計士は優成と聞いたら統括代表社員を思い出す。さらに山田&パートナーズとも関係の深い、非常に色濃い監査法人。

提携している海外会計事務所は「Crowe Horwath」。読み方含めよく知らない。

第9位.三優監査法人

提携している海外会計事務所はBDO。もちろん東陽監査法人とも連携が深い。

第10位.仰星監査法人

ステキな名前の監査法人。海外提携事務所は「ネクシアインターナショナル」。

キャッチフレーズは「無理難題を言わない。杓子定規にならない。」経理としてなかなかぐっとくるフレーズである。本当にできているかは不明。

3.おわりに

今回は東洋経済オンラインが集計した監査法人の売上高ランキングを見ながら、各監査法人についての簡単な情報(正直あまり知らない法人も多くて恐縮ですが)をお伝えしました。

監査業界は大手偏重の傾向が強く、四大監査法人と中堅監査法人の売上高の差はかなり大きなものがあります。
売上は大きい方が人を雇えますし、システムにも投資できます。監査は人海戦術なところがありますので、売上が5,000億円を超える会社は大手のほうがよいというのも一理あるでしょう。

一方、そこまでの規模でなければ、中堅監査法人の活躍の場はもっと大きいと考えています。安いですしね。

監査法人を選ぶときは、ランキングも踏まえながら、自社にあった監査法人の規模も考慮していきましょう。

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