IFRSとは
現在世界中で採用されている会計基準。国際会計基準または国際財務報告基準と訳される。
日本は独自の会計基準(日本基準)を定めており、米国もまた独自の「米国基準」を定めている。これに対し、欧州の国々が国境を越えた会計基準を作り始め、世界中に広がりを見せるようになった。
2010年代前半に米国で強制適用されるという観測が広がった際には、すわ日本でも強制適用か!?と大騒ぎになったが、その後米国の採用が見送られると、日本のIFRSブームも急激にしぼむこととなった。
現在、日本の証券市場では、在外子会社を持っているなど一定の要件を満たせば、IFRSベースの財務諸表で短信や有価証券報告書を発表できる、「任意適用」の制度を取っている。外国人投資家から資金を調達する目的の他、諸般の事情で任意適用する会社は増加している。
読み方について
当初「アイファース」と読ませる予定だったらしいが、「国訛りによってはI f*ck youに聞こえる」という意見があり、これを忌避した「イファース」という呼び方も浸透している。国際基準を作るときは思わぬところで苦労するのだという好例である。
日本基準とIFRSの違い
違いは山ほどあるが、IFRSは【のれん】の償却を認めない、減価償却はほとんどの場合定額法になる(定率法が選択できないことが多い)などの理由により、日本基準より見かけ上利益が出やすいと言われている。
一方で、会計上の見積り計算が非常に多く、基準もとてもファジーに書かれており、さらに当然ながら日本の税法のことなんて考慮されていないので、経理する側の負担は大幅に増える。
思うに、強制適用されない限り、大半の会社が日本基準を捨てることはないだろう。
コメント