有償ストックオプションの実務対応報告、公開草案発表

有償ストックオプションについて、企業会計基準委員会より新たな実務対応報告の公開草案が公表されました。

実務対応報告公開草案第52号「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い(案)」等の公表[外部]

有償ストックオプションは、上場会社役員のインセンティブをフェアな形で引き上げ、結果的に株主の利益につながりやすいため、近年流行っていると聞いたことがあります。その流れでの公表のようです。

東芝、監査法人を変更へ/太陽は本当に受けるのか?

2016年度決算(2017年3月期)の第3四半期で、PwCあらたから「意見不表明」という評価をもらった東芝ですが、2016年度決算での監査法人変更は諦め、2017年度(現在進行期)からの監査法人を画策しているようです。

東芝、監査法人を変更へ 17年度から、「太陽」が有力(朝日新聞)[外部]

東芝はPwCあらたに辞めてほしい、PwCあらたは東芝なんてもう懲り懲り、という両者の思惑が一致した円満離婚(?)だと思いますが、さすがに決算日が過ぎた段階で東芝の後任を引き受ける監査法人が現れるはずがありません。2016年度本決算でも「意見不表明」が出され、監査法人が退任するという流れは当然だと思われます。

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スカパーJSAT、「極めて軽微」な疑惑で決算発表延期

スカパーJSATが決算発表を延期を発表。連結子会社が実施したイベントに関して、「一部の仕入れ取引で、支出内容の適正性の確認が必要になった」とのこと。内部告発でしょうか。

スカパーJSAT、決算発表を延期 不適切な会計処理の疑い[外部]

平成 29 年 3 月期 連結決算発表の延期に関するお知らせ[外部]

珍しいのは決算発表の延期までしておいて「業績に与える影響は極めて軽微」と言い切っていること。金額が小さいのに決算発表延期までするってことは、コンプライアンス意識の高い会社なのか、それとも内部統制的にやばい雰囲気なのか・・・

「バベッジ原理」で実現する低コスト・高品質な経理体制

バベッジ原理で実現する低コスト・高品質の経理体制

皆さんは「バベッジ原理」という言葉をご存知でしょうか。

バベッジ原理とは、業務を細分化して適切に人員配置することで、品質を維持したまま全体のコスト削減とスピードアップが両立できるという考え方です。

と、書くと何だか難しそうですが、話自体は後述のとおりとても単純です。経理担当を考えるときにこの原理を意識しておくと、経理部全体の業務効率が上がり、低コスト・高品質の経理体制をつくることができます。

今回はそんなバベッジ原理のお話と、経理への応用について解説します。

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大手?中小?監査法人の売上ランキングと解説

監査法人のランキング

経済界の下世話なランキングをたくさん作ることで有名な東洋経済オンラインが、監査法人の売上高ランキングを独自集計・公表されました。

独自集計!「監査法人の売上高」ランキング[外部]

監査法人のランキングは経理としても気になるところです。大手ならいいという話では当然ありませんが、大手に見てもらっているほうが社会的信用面でプラスに働くということは確かにあります。

一方、バカみたいに高い監査報酬と融通の利かない担当者、そしてロクに研修を受けていない新人(有料)にトンチンカンな質問をさせて、経理担当者をイライラさせるのも大手監査法人のほうが多いので考えものです。
かといって値段だけで信用力のない監査法人を選ぶわけにもいきません。「大手」「準大手」「中小」といった監査法人の「格」にも留意しなければなりません。

そこで今回は、監査法人の売上ランキングを見ながら監査法人の規模をチェックしていきましょう。



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経理効率を爆上げする「補助科目」設定の5つのコツ

補助科目のメリットと設定のコツ

3月決算の場合、決算作業に終わりが見えてきている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、一息つくのも束の間、ゴールデンウイークが終わると、今度は現在進行期の最初の月次決算がやってきます。気持ちを切り替えてしっかり対応していきましょう。

さて、新しい会計年度の始まりは、経理高速化(決算早期化)の絶好のチャンスでもあります。

年度決算にせよ、四半期決算にせよ、毎月の月次決算にせよ、決算作業のベースになるのは日々作っていく会計帳簿に他なりません。工夫されたワークシートも、優秀なコンサルタントも、高額な会計システムも、しっかりと整理された美しい会計帳簿には敵いません
整理された美しい会計帳簿を作るのはよく練られた記帳ルールであり、記帳ルールの改定には期初が一番のタイミングです。

整理された会計帳簿の根幹となるのは、筋の通った補助科目を作り、正しく入力していくことです。そこで今回は、補助科目をどのように設定していけばよいか、方針・考え方について解説します。

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のれんの減損が頻発するM&Aの構造的な5つの問題

のれんが減損する理由

日本郵政グループが赤字転落を発表しました。原因は2015年に買収した海外子会社ののれん等約4,000億円が減損したことによります。

日本郵政社長「負の遺産を断つ」 民営化後初の赤字(日経新聞)[外部]

今世間を騒がせている東芝も買収した子会社の減損によって大幅な債務超過に陥っています。なぜ買収した子会社はこうも減損するのでしょうか。

この背景には買収した会社の判断ミスなども当然ありますが、M&Aの構造的な問題も横たわっています。今回はその問題に切り込んでみましょう。

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上場会社必見!決算で便利な固定資産の万能集計シート

固定資産の万能集計シート

決算において、固定資産関係の開示で集計に苦労していませんか?

上場会社では単に連結B/Sの固定資産を計算するのも大変ですが、さらにその増減内容や減価償却累計額といった内訳まで開示しなければならず、またキャッシュフロー振替計算も非常に難しいものになっています。
このような様々な計算・開示に対して、その都度会計データや固定資産データを集計していたのでは効率が悪すぎます。

今回はそんな作業を効率化するための固定資産万能集計シートを公開します。これに情報を集約しておくだけで、ほとんどの計算・開示をスムーズに進めることができるでしょう。

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貸借をプラスマイナスで表現すると決算作業がサクサク進む

貸借をプラスマイナスで表示する

経理業務の中で、特に決算業務の中で、貸借を間違えて本来足し算すべき数字を引き算してしまったり、その逆のことをしてしまった経験は誰にでもあると思います。

プラスマイナスという単純な概念だけであればわかりやすいのですが、経理ではそこに借方・貸方という概念が加わります。借方項目である資産・費用と、貸方項目である負債・純資産・収益はそれぞれ真逆の方向性ですので、Excelで計算していても混乱しがちです。

そんなときはいっそのこと、貸方のプラスを、敢えてマイナス数字で表現してみましょう。具体的な例とメリットは以下のとおりですが、特にExcelを使って決算を組む場合(特に連結決算!)では、こんなちょっとした工夫で大幅にミス防止・高速化が図れます。

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【図解】税効果会計に苦戦する理由は、その意味の誤解にある

経理スキルをアップさせようとする方にとって、税効果会計は1つの鬼門です。多くの若手経理パーソンがチャレンジしますが、その意味合いを掴むのに長い時間を費やしています。なぜでしょうか?

その理由は、学習者を中心に、税効果会計に関する大きな誤解が蔓延しているからです。
税効果会計は概念が難しいので、とっかかりとしてなるべくイメージしやすい説明が先行しています。このイメージは簿記試験ではまだいいかもしれませんが、実務ではまるで役に立たない虚構のイメージなのです。

税効果会計の本質は別のところにあります。真の本質を捉えられればまったく難しいものではなく、むしろとても簡単なものです。
本当の本質さえ理解してしまえば、税効果会計の理論から実務までスッと頭に入ってくるでしょう。

今回は、経理実務にばっちり❝使える❞、税効果会計の本当の考え方・捉え方を伝授いたします。

本項はプロの経理パーソン向けの記事ですが、最近M&A関係者の方からご質問をいただくことも増えてきました。そのため、M&A関係者がもう少しとっかかりやすいよう、関連サイトに「M&Aの価格交渉で知らなきゃ大損する繰延税金資産の基礎知識[外部]」という記事を書きましたので、併せてご覧ください。

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