2016年度決算(2017年3月期)の第3四半期で、PwCあらたから「意見不表明」という評価をもらった東芝ですが、2016年度決算での監査法人変更は諦め、2017年度(現在進行期)からの監査法人を画策しているようです。
東芝、監査法人を変更へ 17年度から、「太陽」が有力(朝日新聞)[外部]
東芝はPwCあらたに辞めてほしい、PwCあらたは東芝なんてもう懲り懲り、という両者の思惑が一致した円満離婚(?)だと思いますが、さすがに決算日が過ぎた段階で東芝の後任を引き受ける監査法人が現れるはずがありません。2016年度本決算でも「意見不表明」が出され、監査法人が退任するという流れは当然だと思われます。
さて記事によると、後任監査法人は「太陽監査法人」が有力とのこと。最近飛ぶ鳥を落とす勢いで成長している準大手監査法人の筆頭格です。
まぁ有力も何も、大手監査法人以外で東芝ほどの巨大企業を受けられるのは太陽監査法人ぐらいですし、大手にとっては東芝の面倒を見るメリットなど何もないということなのでしょう。これも自然な流れだと思います。
問題は、太陽監査法人が本当に東芝に監査意見を出せるのだろうかという点です。
PwCあらたは4位、太陽は5位ですが、その差は売上にして6倍以上。人員もそんなに用意できるのか疑問です。フリーランスを臨時雇いするとしても、よほどうまく管理監督しなければ危険でしょう。
そもそも、大手が意見不表明という伝家の宝刀まで抜いた会社に対し、あっさり監査意見を出すことなどできるのでしょうか。東芝としては意見表明前提で監査法人を変えるわけですが、なかなか思いどおりに行くとも思えない気がしています。
朝日新聞なので(?)きちんと裏は取っているとは思うのですが、東芝を巡ってはまだまだゴタゴタが続きそうな気がしています。