保険積立金とは
支払った生命保険等の保険料のうち、【損金計上】(税務上経費として処理すること)ができない金額を、資産として積み立てる固定資産科目。将来の返戻部分を表す資産と解されるが、正式な会計処理とは言い難い。
保険料の税務と会計
保険料の税務としては、保険の種類によって、支払額の全額を損金計上できるタイプ、50%を損金計上できるタイプ、全額損金計上できないタイプなどに分かれている。生命保険の中には貯蓄性の高い積立タイプの保険も多く、全額損金計上できるとすると過度に課税の繰り延べができてしまうからである。支払った保険料と損金計上できる金額との差額は、資産として計上しなければならない。
どのような保険がどのタイプに該当するかの説明は割愛する。保険商品は節税商品として売られていることも多いので、保険会社に確認しよう。
このような税務上のルールに則って会計上の記帳を行うと、その資産部分を「保険積立金」という科目で処理することになる(固定資産の投資その他の資産に区分)。厳密な会計理論に則った処理とは言い難いが、実務として(上場会社も含めて)広く採用されている。
消費税の区分
支払い時(積立て時)は保険料とともに「非課税仕入」、保険金や解約返戻金の受取り時(取崩し時)は保険解約収入とともに「課税対象外」(【不課税】売上)として処理する。ただし、保険契約者側であればどちらも「課税対象外」としてしまっても問題はない。