残高確認とは
仕入先や得意先に、特定期日の売掛金、買掛金の残高を書面(残高確認状)で質問し、B/Sの売掛金や買掛金が先方の買掛金、売掛金と一致しているか確認すること。略して残確。
残高確認の必要性
経理にとって、決算において最重要な作業は、B/S残高が理論値と一致しているかを確認することである(【カットオフ】および【期ズレ】参照)。棚卸資産は実物の数を数えればいいが、売掛金や買掛金は目に見えないため、当社が認識している金額が正しいかわからない。そこで、仕入先や得意先に連絡し、先方で認識している金額を訪ねることが有効なチェック方法となる。
会計監査における残高確認
【会計監査】においては、社外から信用力の高い重要な情報を得られる残高確認は、【棚卸立会】と並ぶ重要な監査手続であり、必ず実施される。そのため、経理は監査法人の新人と一緒に残高確認状を封筒に詰める作業に勤しむことになる。
はっきり言ってつまらない作業であるが、監査法人の下っ端と仲良くなる数少ないチャンスだと思って頑張ろう。新卒かそこらだとまだ面白くないかもしれないが、監査法人にはたまに変わった経歴を持った苦労人が新人枠で紛れ込んでくるので、話してみると面白い者もいる。
残高確認の差異分析
毎日取引をしている売掛金や買掛金は、当社の残高と先方の残高が一致しないということもよく起こる。この差の分析が経理の腕の見せ所である。
コツというほどのものでもないが、差のほとんどは【カットオフ】の方法の違いによるものである。先方の数値がいつの時点の何の数字を表しているのかを詳しくヒアリングし、当社の計上方法と比較すれば、割とあっさり原因が特定できる。
残高確認の留意点
信用力の高い情報が得られるとは書いたものの、あくまで相対評価である。
零細企業だとロクに確認しないまま「残高に相違なし」と書いて送ってくるし、海外だと「買掛金を少なく書けば支払いを減らせるんじゃね?」というノリで嘘の申告をする国もある。あまり他人を信用しないことだ。
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