【その他有価証券評価差額金】(そのたゆうかしょうけんひょうかさがくきん)

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その他有価証券評価差額金とは

その他有価証券の市場価格変動を未実現の損益としてB/Sに表示したもの。

純資産であるが、株主資本外項目として表示され、個別会計上は「評価・換算差額等」、連結会計上は「その他の包括利益累計額」に属する。その他有価証券の時価評価額を資産計上したいが、その他有価証券の性格から含み損益が実現したとは言えず、評価損益をP/Lに載せるわけにいかないことから、B/Sのスキマともいえる評価・換算差額等に計上している。

その他有価証券の含み損益

その他有価証券は、何らかの事情があって保有する純投資以外の有価証券である。具体的には持合株などが該当する。したがって、含み損益があったからといって簡単に売ったり買ったりはできるものではなく、含み損益は【実現】していないと考えられる。

その一方で、有価証券の価値変動は確かに起きているものであり、資産をずっと時価評価しないわけにもいかない。そこで、B/S上の資産は時価評価しつつ、その含み損益をP/Lに計上しないというウルトラCが発案された。でもそれでは貸借が一致しなくなってしまうので、その他有価証券評価差額金という科目で純資産の隅にぶち込んでおけ、という趣旨である。

その後、「包括利益」という概念が輸入され、「その他有価証券の含み損益は当期純利益ではないけど包括利益には含まれる」という位置付けとなり、連結上は包括利益計算書を通じて「その他の包括利益累計額」として分類されることになった(それまで「評価・換算差額等」だった科目はすべて同様)。

全部純資産直入法と部分純資産直入法

含み損が発生した際に、その他有価証券評価差額金として処理することを全部純資産直入法、投資有価証券評価損としてP/Lに載せることを部分純資産直入法という。含み益の場合はどちらもその他有価証券評価差額金になる。

上述の理屈のとおり、含み損であっても未実現損益であることに変わりはないため、全部純資産直入法が原則処理。保守主義的な意味で損失を早く認識しましょうということで部分純資産直入法も認められている。

しかしながら、ほとんどの会社では全部純資産直入法が採用されている。処理も手間だし、P/Lをよく見せたいという心情から当然である。
ちなみに今回、試しに有報検索システムで検索してみたところ、なんと15社もヒットした。上場会社数3,536社なので実に0.4%もある。想定外である。

しかも1社は私の投資先だった。個人投資家が有報をろくに読んでいないことがよくわかる。

包括利益

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