長期前払費用とは
1年超の前払費用を処理する固定資産科目(投資その他の資産)。実務的には、本来会計では計上が認められない税務上の繰延資産を処理する科目としても使われることが多い。通称「長前」。
税務上の繰延資産とは
会計上は、創立費や開業費などの科目は「繰延資産」の区分で資産計上し、将来にわたって償却することが認められている。
しかし、税務上の繰延資産はもっと範囲が広く、公共施設の設置・改良費や建物賃借の権利金なども繰延資産として資産計上が強制されている。
このままでは【税会不一致】が生じてしまうが、煩雑さを防ぐため、よほどの重要性のある場合を除いて長期前払費用で計上し、税務に合わせて償却することが一般慣行である。
会計上繰延資産にしない理由
会計上繰延資産にしない理由は、1つには会計基準で認められた繰延資産に該当しないことが挙げられる。
それ以上に、実は固定資産以外に繰延資産が存在する国は日本ぐらいなもので、国際的には「わけのわからない資産区分」である。そのため大企業を中心に計上が敬遠されており、日本でも計上している会社はほとんど見られない。