開示業務

3月決算会社の早期開示、全社が定型様式を採用

2017年3月期から、決算短信の様式が大幅に自由化され、「サマリー情報」(1ページ目の業績の一覧)の開示が「義務」から「要請」に格下げされましたが、実際にサマリー情報を割愛する会社はどれだけあるんでしょうか。

そんな疑問に応えるべく、週刊経営財務が4月末までに短信発表をした3月決算会社292社を調査したところ、なんとすべての会社がサマリー情報を開示していたとのこと。

調査の結果,対象292社のすべてが,基本的に「サマリー情報」の通期第1号参考様式〔日本基準〕(連結)に基づいて決算短信を開示していた。開示の内容や傾向について,今回の改正による変化はとりたててみられなかった。(週刊経営財務2017年05月15日号)

まぁ今まで開示していた会社が敢えて「要請」を無視する理由もないんですけど、結局この改正って意味あったの?と思わざるをえないですね。
いずれにせよ今後も「要請」どおり変わらない開示がメインになることは間違いがないと思います。

ちなみに、記事ではその他の開示方法についても集計しています。

①個別業績の概要を省略 41社(14.0%)
②売上高を営業収益とするなど,勘定科目を一部変更して開示 30社(10.3%)
③業績予想値を開示せず 26社(8.9%)

※カッコ内は調査対象292社に対する割合

ホールディングカンパニーなんかだと個別業績は別に意味がないので、①の省略は今後も増えると思います。

②はEBITDAの開示なども入るのでしょうか。どこまで広がるか注目しています。

③は意外と多くの会社が開示していないんだなという印象。ちょっと意外でしたが、いい加減な業績を出しても投資家も役員も困るだけなので、わからない場合は「わかりません!」と言い切る選択はあってしかるべきなのでしょう。

決算開示は基本横並びでしたが、これを機に独自性が出てくるかもしれませんね。

【図解】税率差異分析(タックスプルーフ)の基礎知識

上場会社では、会社法監査や短信発表が終わると、有価証券報告書の作成が始まります。内容が重複しているものも多いですが、有価証券報告書にしかない開示内容もたくさんあります。

その中でも最難関のひとつが「法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳」、通称「税率差異の注記」(別名タックスプルーフ)です。

税効果会計はある程度理解できていても、この税率差異の注記はどうしても理解できないという方も多くいらっしゃいます。そこで今回は、この税率差異の注記が何を意味しているものなのか、まずは概要からご紹介しましょう。

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上場会社必見!決算で便利な固定資産の万能集計シート

固定資産の万能集計シート

決算において、固定資産関係の開示で集計に苦労していませんか?

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今回はそんな作業を効率化するための固定資産万能集計シートを公開します。これに情報を集約しておくだけで、ほとんどの計算・開示をスムーズに進めることができるでしょう。

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朝方の決算開示が広がる?(日経新聞)

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朝方決算開示じわり広がる  太陽HDや西松建、投資家の利便性重視
http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20170217&ng=DGKKZO13011990W7A210C1DTA000[外部]

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