開示業務

決算早期開示が広がらない5つの理由と経理への提言

決決算早期開示の目的と浸透しない理由

6月2日に、東証より3月決算会社の開示状況をまとめたレポートが公表されました。
決算短信の様式自由化についての対応が総評されており、「雰囲気」が読めるかと思います。

平成29年3月期決算発表状況の集計結果について[外部]

さて、レポートによると、平成29年3月決算上場会社の決算発表の所要日数は39.3日で、前年より0.3日早くなったそうです。とはいえこの辺は曜日にも左右されますので、0.3日は誤差の範囲じゃないでしょうか。

もう10年以上前から、決算の早期開示が求められていますし、開示内容を簡略化し、今年は決算短信の様式自由化も打ち出しました。しかしながら、そこまでの効果が出ていないようにも思われます(まぁ1年目は皆さん様子見でしょうけど)。

公認会計士の武田雄二さんのブログでは、30日開示企業の減少を嘆かれています。

http://blog.livedoor.jp/takeda_cfo/archives/2093475.htmlhttp://blog.livedoor.jp/takeda_cfo/archives/2093475.html[外部]

なぜ、決算開示の早期化は浸透しないのでしょうか?また、何から始めればいいのでしょうか?
今回はそんな疑問に対する私見を述べさせていただきます。

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3月決算会社の早期開示、全社が定型様式を採用

2017年3月期から、決算短信の様式が大幅に自由化され、「サマリー情報」(1ページ目の業績の一覧)の開示が「義務」から「要請」に格下げされましたが、実際にサマリー情報を割愛する会社はどれだけあるんでしょうか。

そんな疑問に応えるべく、週刊経営財務が4月末までに短信発表をした3月決算会社292社を調査したところ、なんとすべての会社がサマリー情報を開示していたとのこと。

調査の結果,対象292社のすべてが,基本的に「サマリー情報」の通期第1号参考様式〔日本基準〕(連結)に基づいて決算短信を開示していた。開示の内容や傾向について,今回の改正による変化はとりたててみられなかった。(週刊経営財務2017年05月15日号)

まぁ今まで開示していた会社が敢えて「要請」を無視する理由もないんですけど、結局この改正って意味あったの?と思わざるをえないですね。
いずれにせよ今後も「要請」どおり変わらない開示がメインになることは間違いがないと思います。

ちなみに、記事ではその他の開示方法についても集計しています。

①個別業績の概要を省略 41社(14.0%)
②売上高を営業収益とするなど,勘定科目を一部変更して開示 30社(10.3%)
③業績予想値を開示せず 26社(8.9%)

※カッコ内は調査対象292社に対する割合

ホールディングカンパニーなんかだと個別業績は別に意味がないので、①の省略は今後も増えると思います。

②はEBITDAの開示なども入るのでしょうか。どこまで広がるか注目しています。

③は意外と多くの会社が開示していないんだなという印象。ちょっと意外でしたが、いい加減な業績を出しても投資家も役員も困るだけなので、わからない場合は「わかりません!」と言い切る選択はあってしかるべきなのでしょう。

決算開示は基本横並びでしたが、これを機に独自性が出てくるかもしれませんね。

【図解】税率差異分析(タックスプルーフ)の基礎知識

上場会社では、会社法監査や短信発表が終わると、有価証券報告書の作成が始まります。内容が重複しているものも多いですが、有価証券報告書にしかない開示内容もたくさんあります。

その中でも最難関のひとつが「法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳」、通称「税率差異の注記」(別名タックスプルーフ)です。

税効果会計はある程度理解できていても、この税率差異の注記はどうしても理解できないという方も多くいらっしゃいます。そこで今回は、この税率差異の注記が何を意味しているものなのか、まずは概要からご紹介しましょう。

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上場会社必見!決算で便利な固定資産の万能集計シート

固定資産の万能集計シート

決算において、固定資産関係の開示で集計に苦労していませんか?

上場会社では単に連結B/Sの固定資産を計算するのも大変ですが、さらにその増減内容や減価償却累計額といった内訳まで開示しなければならず、またキャッシュフロー振替計算も非常に難しいものになっています。
このような様々な計算・開示に対して、その都度会計データや固定資産データを集計していたのでは効率が悪すぎます。

今回はそんな作業を効率化するための固定資産万能集計シートを公開します。これに情報を集約しておくだけで、ほとんどの計算・開示をスムーズに進めることができるでしょう。

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決算短信、四半期決算短信の作成要領が公表されました

日本取引所グループ(東証)より、【決算短信】【四半期決算短信】の作成要領が公表されました。

http://www.jpx.co.jp/equities/listed-co/format/summary/index.html[外部]

2017年3月末以後に終了する会計期間から、経営方針などの定性情報が任意開示になります。

【ROE】の分母は純資産だっけ?株主資本だっけ?自己資本だっけ?」とか「配当性向は1株あたりベースで割るんだっけ?総額で割るんだっけ?」といったなどの細かい記載要領が確認ができます。上場会社は決算前にお気に入りに登録しておきましょう。