【決算短信】や【四半期決算短信】といった上場会社の決算発表は、株式市場が終了した午後3時から6時ぐらいの間に開示されることが多いです。本日の日経新聞に、そのような主流とは一線を画し、早朝9時ごろに開示する会社が増えてきている、という記事がありました。
朝方決算開示じわり広がる 太陽HDや西松建、投資家の利便性重視
http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20170217&ng=DGKKZO13011990W7A210C1DTA000[外部]
上場企業や不動産投資信託(REIT)の間で、株式市場の取引開始前に決算を発表する動きがじわりと広がっている。今年に入って特殊インキ大手の太陽ホールディングスなど9銘柄が朝方に開示した。決算内容をいち早く当日の株価に織り込める利点がある。投資家からもおおむね好意的な評価が聞かれる。
なんか9銘柄だけで「広がっている」と言い切っちゃう辺りに日経新聞らしさを感じる今日この頃ですが、本当に投資家にとって価値のあるものであれば、今後本当に広がっていくかもしれません。本当に価値があるならば。
東京株式市場は前日の米欧市場の影響を受けやすい。朝方に開示すれば、海外市場の動向に左右される前に開示内容が株価に織り込まれる。企業や投資家は、決算に対する市場の反応をより把握しやすくなる。欧米では早朝や取引時間中の決算発表が主流だ。
うーん、この辺は市場はタイムリーですから、寄り付きの時点で海外市場の影響は既に受けているんじゃないかと思うんですよね。結局そんなに意味がないんじゃないでしょうか。
個人的には早朝開示が広がるとはあまり思っていません。大引け後に開示されるメリットは翌日9時までじっくり決算内容を読めるところにあって、特に個人投資家にとっては大きな利点だと思うんですよね。アナリストからも好評とは書いてありますが、早朝開示が広がったら他社とのスピード競争になって、それはそれで大変なのでは?という気もします。
あと、何より一番弊害になりそうなのが、「適時開示は取締役会決議後速やかに開示する」というルールの存在。
午前8時20分に決算を開示した太陽ホールディングスは、午前9時からだった決算取締役会の開催を2時間早めて対応したという。
きついでしょこれ・・・